『第7章 コグノスコピー(認知機能検査)まずは状況を知ろう』に書かれている、アルツハイマー病の詳細メカニズムを、検査項目からひも解いて解説していきます。
ビタミンD3:遺伝子のスイッチをオンにする(P.190)
ビタミンD活性の減少は、認知機能低下に関連している。ビタミンDはWiFiシグナルのように、血液と組織を通じて移動し、細胞に入る。一度中に入ると、ビタミンDは、まさにそのものずばりビタミンD受容体(VDR)という名前の受容体に結合し、VDRはビタミンDを(DNAを包む)核に入れ、900以上の遺伝子のスイッチをオンにする。
その遺伝子には、骨代謝に影響するもの、腫瘍の形成を抑制するもの、炎症を減少させるもの、そしてリコード法にとても重要な、脳のシナプス生成と維持に不可欠なものもある。
そのため、これらの遺伝子と、その遺伝子を活性化するビタミンDは、シナプス創造/破壊バランスにおいて、シナプスを支える側を維持するためには、不可欠である。ビタミンDが足りないと、適切な遺伝子が正しく活性化されない。
私たちが太陽にあたると、7デヒドロコレステロールというコレステロール分子が、不活性型ビタミンDに変換され、それがその後、活性型に変換される。