ひとりごと(163):中国でも内陸都市は経済のボトムラインが強く、早期の経済立て直しが進む可能性が高い

9月に看守と二人で、看守の故郷『重慶』に行ってきました。

重慶は、発展速度が著しいです。

日本以上にキャッシュレス化が進んでいました。

スーパー、駐車場(無人で画像認識)、観光地のお土産屋や屋台まで、スマホで決済。

成都市はハイテク産業と現代的サービス業が牽引する国際都市

中国の四川省成都市の産業に関する特徴を教えて


中国の四川省成都市は、中国の「西部大開発」政策における中核都市であり、特に近年、伝統的な地域中心地からハイテク産業と現代的サービス業が牽引する国際都市へと変貌を遂げています。

成都市の産業に関する主な特徴は以下の通りです。

1. ハイテク・電子情報産業の集積地 💻

成都市の産業構造において最も重要かつ成長著しいのが、電子情報産業です。これは成都市の工業生産においてトップの規模を誇り、西部地域におけるハイテク産業の「基地」としての役割を担っています。

  • 半導体・IC(集積回路): インテル(Intel)などの巨大企業が進出し、マイクロチップの製造拠点となっています。かつては世界のiPadの組み立てを一部担っていたことでも知られます。
  • 新型ディスプレイ: 液晶パネルや有機ELなどの新型ディスプレイ関連技術の開発・製造が行われています。
  • AI・5G・IoT: 次世代技術分野の研究開発と産業化が積極的に推進されています。
  • 航空宇宙・防衛産業: 鉄道設備、航空機、エンジンなどの製造や研究開発の拠点も存在します。

2. 現代サービス業と本部経済の推進 🏦

成都市は、国務院によって西南地区の金融センター都市に定められており、金融、商業、物流などの現代的なサービス業が経済の約70%を占める最大のセクターです。

  • 金融ハブ: 外資系を含む多くの銀行、保険会社、証券会社などが集中し、西部地区で最も金融機関の種類と数が揃っています。
  • 本部経済(ヘッドクォーター・エコノミー): 国内外の大企業グループの管理本部、研究開発センター、決済センターなどの機能部門を積極的に誘致し、地域経済を牽引しています。
  • 商業・消費: 中国国内でも有数の高級品市場として知られ、多数の国際的な高級ブランドや大型商業施設が進出しており、消費力が非常に高い都市です。

3. 多様な製造業と伝統産業 🚗

電子情報産業のほかにも、成都市には多岐にわたる製造業の基盤があります。

  • 自動車産業: 電気自動車(EV)を含む乗用車やトラックなどの研究開発・製造が行われています。
  • 生物医薬産業: 漢方薬やバイオ医薬など、医療・製薬分野も重要な産業基地です。
  • 食品加工産業: 四川料理の文化を背景に、肉類加工、調味料、飲料、茶などの食品加工業も盛んです。

4. 交通・物流の重要拠点 ✈️

成都市は中国内陸部における交通・通信・物流の要衝であり、これが産業発展を支える重要なインフラとなっています。

  • ツイン国際空港: 複数の国際空港(成都双流国際空港と成都天府国際空港)を持ち、中国中西部地域で最大の国際航空路線ハブとなっています。
  • 「成渝ツインシティ経済圏」: 隣接する重慶市と連携し、経済発展を加速させる国家戦略の中核を担っています。

5. 文化・クリエイティブ産業の台頭 🐼

近年、成都市は「パンダ」や「四川料理」といった伝統的な観光資源に加え、都市の魅力向上につながる分野に注力しています。

  • 文化・クリエイティブ: メディア、デザイン、デジタルゲーム、音楽、イベントなどの産業が成長しており、GDPに占める文化・クリエイティブ産業の付加価値も高まっています。
  • 観光: 豊かな歴史・文化遺産に加え、都市の公園化(パークシティビジョン)を進めるなど、観光都市としての魅力向上を図っています。
  • 研究・教育: 西部地区で最も多くの大学や研究機関が集積する学術都市であることも、ハイテク産業の土壌となっています。

重慶市は重工業・電子情報・自動車など先進製造業の一大拠点

重慶市の産業に関する特徴も教えて


重慶市は、古くから中国内陸部における重工業の中心地として発展してきましたが、近年は大規模な構造転換を成功させ、ハイテクと自動車を中心とした先進製造業の一大拠点となっています。

重慶市の産業に関する主な特徴は以下の通りです。

1. 二大支柱産業:電子情報と自動車 🚗💻

重慶の経済成長を牽引する中核は、2つの巨大な製造業クラスターです。

  • 電子情報産業(IT製造):
    • 世界最大のノートパソコン生産拠点の一つであり、世界のノートパソコン生産の約3分の1を占めるとされていました(近年は生産が分散傾向)。
    • スマートフォンなどのインテリジェント端末の生産や、集積回路(IC)、ディスプレイパネルといった上流部品のサプライチェーン構築に力を入れています。
    • HP、Acer、Foxconnなど、多数の国際的なIT企業が進出しています。
  • 自動車・オートバイ産業:
    • 中国国内で最大級の自動車・オートバイ製造拠点です。特に小型車や商用車の生産量が非常に多いのが特徴です。
    • 近年は、ガソリン車から**新エネルギー車(NEV/EV)**への転換を強力に推進しており、次の成長の柱と位置づけられています。

2. 重工業と軍事産業の伝統 ⚙️

重慶は、毛沢東時代の「三線建設」政策により、内陸部の国防と工業化の拠点として位置づけられ、重厚長大産業が深く根付いています。

  • 重工業の比重: 自動車・ITへの転換を進めた現在でも、工業生産総額に占める重工業の比率は高く、鉄鋼、アルミニウム、機械設備製造などが重要です。
  • 軍事・装備製造: 中国国内の重要な軍事設備生産拠点の一つであり、航空宇宙、鉄道輸送機器などのハイエンドな装備製造業も発展しています。

3. 西部最大の内陸物流ハブ 🚢

重慶は、長江の上流に位置する港湾都市であり、中国内陸部の物流において非常に重要な役割を担っています。

  • 水運の優位性: 長江の水運を利用した物流が可能であり、「長江経済ベルト」における物流の中心です。
  • 国際輸送回廊: ヨーロッパとアジアを結ぶ国際鉄道貨物輸送「渝新欧(Chongqing-Xinjiang-Europe)」の起点の一つであり、「一帯一路」構想の推進力となっています。
  • 交通インフラ: 重慶江北国際空港や世界最長のモノレールなど、大規模な交通インフラを有しており、交通の結節点としての役割が強化されています。

4. 政策特区とツインシティ戦略 🤝

  • 両江新区(Liangjiang New Area): 国家レベルの重点開発区であり、重慶のハイテク産業、ハイエンド設備製造、現代サービス業の発展をリードしています。
  • 成渝ツインシティ経済圏: 成都との共同戦略により、産業の連携と分業を深め、研究開発と製造の相乗効果を生み出すことで、中国西部の成長を牽引しています。

重慶は、伝統的な重工業の強さを活かしつつ、電子情報という新しい輸出志向型の産業を成功裏に導入したことで、内陸部における最もダイナミックな経済成長を実現しています。

成都と重慶は経済回復力が高い

近年、不動産バブル崩壊により莫大な負債を抱えている中国ですが、大都市の中でも成都と重慶は他の都市に比べて経済回復力が高く、経済の立て直しも早くなされるように思いますが如何でしょうか?


お見込みの通り、成都(Chengdu)と重慶(Chongqing)は、中国の他の大都市圏と比較して、高い経済回復力と安定性を示す可能性が高いと考えられます。

これは、両都市が中国政府の最重要戦略の対象であり、単なる不動産投資に依存しない強力な産業基盤を構築しているためです。


成都・重慶の経済回復力が高い理由

成都と重慶は、中国政府の「成渝ツインシティ経済圏(Chengdu-Chongqing Twin-City Economic Circle)」戦略の「双核(Dual-Core)」として位置づけられており、その経済的なレジリエンス(回復力)の源泉は、以下の点にあります。

1. 国家戦略としての強力な後押し 🇨🇳

成都と重慶の連携強化は、北京・天津・河北、長江デルタ、粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)に次ぐ中国第4の経済成長極として、国家レベルの最重要プロジェクトに指定されています。

  • 集中投資:

この戦略により、両都市のインフラ整備、産業高度化、イノベーション促進に対し、中央政府から大規模な資金と政策的な優遇措置が継続的に投入されています。

  • 西部大開発の核:

両都市は、内陸部の経済を牽引する中心地として機能するため、その成長の重要性が他の沿岸都市とは異なる次元にあります。

2. 多角的なハイテク産業基盤 💡

沿岸部の都市が不動産や輸出加工業に大きく依存しているのに対し、成都・重慶は、不動産依存度を下げ、ハイテク製造業と現代的サービス業への転換を加速させています。

  • 電子情報産業: 世界トップ10に入る電子情報製造拠点であり、集積回路(IC)、新型ディスプレイ、スマートデバイスなどのサプライチェーンが充実しています。ワンダーフォックスのようなソフトウェア開発企業もこのエコシステムの一角です。
  • 新エネルギー自動車(NEV): 両都市は、インテリジェント・コネクテッド・**新エネルギー自動車(EV)**産業のクラスター形成を共同で推進しており、この分野での成長率が非常に高いです。
  • 金融・イノベーション: 金融機関や研究機関が多く集積しており、イノベーションと技術力が経済の主要な成長ドライバーとなっています。
3. 不動産以外の経済構成の比重が高い ⚖️

不動産バブル崩壊の影響は免れませんが、GDPにおける**第三次産業(サービス業)**の比重が高いことが、経済の安定に寄与しています。

経済指標 特徴
サービス業 成都ではGDPの70%近くを占め、消費、金融、物流、文化クリエイティブ産業が安定的な基盤を提供しています。
西部ハブ 中国西部全体の商流、物流、交通、通信のハブ機能を担っているため、国内の景気変動に対し比較的安定的な需要があります。
まとめ

成都と重慶は、巨大な内陸市場を背景に、国家的な戦略、強力なハイテク産業の推進、そして地域連携による相乗効果を享受しています。 この経済の多様性政府による継続的なテコ入れにより、不動産市場の調整局面においても、他の高依存都市に比べて経済のボトムラインが強く、早期の経済立て直しが進む可能性が高いと言えます。



経済のボトムラインとは?


「経済のボトムライン」とは、比喩的な表現で、経済状況がどれほど悪化しても、これ以上は下がらないと見込まれる最低限の経済水準、または耐久力のことを指します。

ビジネス会計における「ボトムライン (Bottom Line)」が貸借対照表や損益計算書の一番下(最終的な利益や損失を示す行)を意味することから転じて、経済学や政策論では以下のような意味合いで使われます。

経済のボトムラインの具体的な意味

  1. 景気後退期の最低水準(底):
    • 経済が不況や危機に直面したとき、「これ以上GDPが落ち込むことはないだろう」と予測される最低ラインです。
    • このラインが堅固であるほど、「経済が回復しやすい(レジリエンスが高い)」と評価されます。
  2. 経済の基礎的な耐久力・安定性:
    • 特定のショック(例:不動産バブル崩壊、国際貿易摩擦)を受けても、崩壊しない中核となる産業基盤や構造的な強さを指します。
    • 特に、不動産や輸出など変動しやすい分野に依存せず、安定した内需や最先端技術など、将来の成長を支える分野がこの「ボトムライン」を構成します。
  3. 社会的な最低限の生活水準:
    • 国民の雇用や生活が維持されるための最低限の経済的セーフティネットや、政策的に守るべき最低限の経済活動水準を指すこともあります。

成都・重慶における「ボトムライン」

先の回答で「成都と重慶はボトムラインが強い」というのは、以下の要因を指しています。

  • 強固な産業多様性: 不動産が落ち込んでも、ハイテク製造業(半導体、EVなど)や現代サービス業といった、別の成長エンジンが稼働し続けるため、地域経済全体が極端に落ち込むことを防ぎます。
  • 国家戦略による保証: 中央政府からの政策的な集中支援や大規模なインフラ投資が継続的に行われるため、経済活動の急激な収縮が起きにくい、という安定性が保証されています。

つまり、「経済のボトムラインが強い」とは、危機に対する「耐性」と、そこからの「回復力」が高いことを意味します。

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