前記事の続きです。
情報セキュリティを維持・改善する立場になって、企業へのセキュリティ導入を考えると、コストとセキュリティレベルはトレードオフの関係にあります。
僕がISMSを担当した頃は、セキュリティの知識は全く無く手探り状態だったし、会社の業績も伸び悩んでいた状況だったため、最小コストで目標を達成することしか考えることができませんでした。
しかし、現代は、IT性能UPとコスト低下、AI活用などの技術革新により、セキュリティ導入のハードルは10年前よりも確実に低くなっています。
つまり、適切なセキュリティシステムの導入により、セキュリティを維持・改善・管理する担当者の工数の増加を最小に抑えることが可能になります。
企業のためにも、またセキュリティ担当者の負担を軽減するためにも、多少導入コストをUPさせてでも『統合セキュリティシステム』の導入を経営側へ提案するべきです。
これから『セキュリティセンターのGenetec』が提供する『統合セキュリティシステム』について深堀していきます。
目次
統合型セキュリティプラットフォーム Genetec Security Center
近年、企業や組織におけるセキュリティの重要性はますます高まっています。物理的なセキュリティからサイバーセキュリティまで、多岐にわたる脅威から資産や従業員を守るためには、包括的で効率的なセキュリティ対策が不可欠です。
そんな中、世界中のセキュリティプロフェッショナルから高い評価を得ているのが、カナダのGenetec社が開発・提供する統合型セキュリティプラットフォーム「Security Center」です。
Security Center とは？
Security Center は、ビデオ監視（VMS）、アクセス制御、自動ナンバープレート認識（ALPR）、侵入検知など、多様なセキュリティ機能を単一のプラットフォームに統合したソリューションです。直感的で使いやすいインターフェースを通じて、これらの機能を一元的に管理・運用できるため、セキュリティ担当者の負担を軽減し、迅速かつ効果的な対応を可能にします。
Security Center の主な機能
Security Center は、以下の主要な機能を備えており、組織のセキュリティニーズに合わせて柔軟に拡張できます。
1. Omnicast (ビデオ監視システム)
- ライブ監視と録画: 高画質のライブ映像監視に加え、柔軟な録画設定、スケジュール録画、イベント録画など、様々な録画オプションを提供します。
- PTZカメラ制御: パン、チルト、ズーム機能を備えたカメラを直感的なインターフェースから操作できます。
- 動体検知とアラート: 設定したエリアでの動きを検知し、アラーム通知や録画を開始できます。
- インテリジェントビデオ分析: オブジェクトの追跡、人数カウント、特定の行動パターンの検出など、高度なビデオ分析機能を利用できます（オプション）。
- フォレンジック検索: イベントログやメタデータに基づいて、録画映像を効率的に検索・分析できます。
- マップ連携: 地図上にカメラの設置場所を表示し、クリック操作で該当カメラの映像を確認できます。
- モバイルアクセス: スマートフォンやタブレットからライブ映像の確認や録画映像の再生、PTZ制御、アラーム管理などが可能です。
2. Synergis (入退管理システム)
- アクセス制御: カード、生体認証、モバイルクレデンシャルなど、多様な認証方式に対応し、ドアやゲートなどの入退室を管理します。
- ゾーンとスケジュール: ユーザーやグループごとにアクセス権限を設定し、時間帯によるアクセス制御も可能です。
- アンチパスバック: 不正な再入場を防止する機能を設定できます。
- グローバルロックダウン: 緊急時に、システム全体または特定のエリアのドアを即座にロックダウンできます。
- イベント監視とレポート: ドアの開閉、アラーム発生などのイベントをリアルタイムに監視し、詳細なアクセスログやレポートを出力できます。
- エレベーター制御: アクセス権限に基づいて、特定のフロアへのアクセスを制御できます（オプション）。
- 統合インターホン: IPインターホンと連携し、Security Centerのインターフェースから訪問者との通話やドアの遠隔操作が可能です（Sipelia）。
3. AutoVu (自動ナンバープレート認識システム)
- ナンバープレートの自動読取: 監視カメラの映像から車両のナンバープレートを自動的に認識し、記録します。
- リアルタイムアラート: ブラックリストやホットリストに登録された車両を検知した場合、リアルタイムにアラートを通知します。
- 検索とレポート: 記録されたナンバープレート情報を検索し、日時、場所などの条件で絞り込んだレポートを作成できます。
- 駐車場管理: 入庫・出庫管理、駐車時間管理、料金徴収システムとの連携など、駐車場管理ソリューションを構築できます。
- 交通監視: 交通量調査、速度違反の検知、渋滞分析など、交通監視への応用も可能です（Traffic Sensor Management）。
4. Sipelia (コミュニケーション管理)
- IPインターホン統合: Security Centerプラットフォーム内でIPインターホンの管理と運用を統合します。
- 双方向音声・ビデオ通話: インターホンを通じて訪問者と音声やビデオによる双方向の通信が可能です。
- 遠隔ドア操作: Security Centerのインターフェースから、接続されたドアやゲートを遠隔で解錠・施錠できます。
- イベント連携: インターホンの呼び出しや応答などのイベントをSecurity Centerで記録・監視できます。
5. その他の主な機能
- 直感的で統一されたインターフェース: ビデオ監視、入退管理、ALPRなどの機能を、一貫性のある使いやすいインターフェースで操作できます。
- 柔軟なシステム構成: 小規模なシステムから大規模なエンタープライズシステムまで、柔軟な構成が可能です。オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境に対応できます。
- 高い信頼性と冗長性: フェイルオーバー機能や冗長化構成により、システム停止のリスクを低減し、可用性を高めます。
- 強力なセキュリティ機能: エンドツーエンドの暗号化、アクセス制御、監査ログなど、高度なセキュリティ機能により、システムとデータを保護します。
- オープンアーキテクチャとAPI連携: サードパーティ製のシステムやデバイスとの連携が容易であり、SDKを通じてカスタマイズや機能拡張が可能です。
- レポートと分析: システムの運用状況やセキュリティイベントに関する詳細なレポートを作成し、分析に役立てることができます。
- モバイルアプリケーション: 現場のセキュリティ担当者が、モバイルデバイスからシステムにアクセスし、状況確認や প্রাথমিক対応を行えます。
- 意思決定管理 (Mission Control): 標準業務手順（SOP）をシステムに組み込み、インシデント発生時の対応を効率化し、新人オペレーターのトレーニングを簡素化します（オプション）。
- レコードフュージョンサービス: 様々なデータソースからのレコードを統合し、共通の操作を実行できます。
Security Center 導入のメリット
Security Center を導入することで、組織は以下のようなメリットを享受できます。
- 一元管理による効率化: 複数のセキュリティシステムを個別に管理する必要がなくなり、運用コストと担当者の負担を大幅に削減できます。
- 状況把握の迅速化: 全てのセキュリティ情報が単一のプラットフォームに集約されるため、異常発生時の状況把握が迅速になり、適切な対応を遅滞なく行うことができます。
- セキュリティレベルの向上: 各機能の連携により、より高度で包括的なセキュリティ体制を構築できます。例えば、侵入検知とビデオ監視を連携させることで、アラーム発生時の映像を自動的に記録・確認できます。
- 柔軟な拡張性: 組織の成長や変化に合わせて、必要な機能やデバイスを柔軟に追加・拡張できます。
- 将来への投資: Genetec は継続的な製品開発とサポートを提供しており、最新のセキュリティ脅威に対応するためのアップデートが定期的に行われます。
Genetec Security Center の主な優位性
Genetec Security Center は、ビデオ監視 (VMS)、アクセス制御、自動ナンバープレート認識 (ALPR) などを単一のプラットフォームに統合した、真の統合型セキュリティシステムです。この統合性こそが、他社と比較した際の大きな優位性となっています。
1. 真の統合による運用効率の向上
- 多くの他社製品は、複数の異なるシステムを連携させることで「統合」を実現していますが、Genetec Security Center は、主要なセキュリティ機能を単一のプラットフォームとしてゼロから開発しています。
- これにより、各機能がシームレスに連携し、情報共有や操作の一貫性が高く、運用効率が格段に向上します。
- 例えば、アラーム発生時に、ビデオ映像、アクセスログ、関連するセンサー情報などが単一のインターフェースで確認でき、状況把握から対応までの時間を大幅に短縮できます。
2. 高いカスタマイズ性と柔軟な拡張性
- Genetec Security Center は、オープンアーキテクチャを採用しており、900を超える多様なサードパーティ製のハードウェアやソフトウェアとの連携が可能です。
- これにより、既存のシステムを最大限に活用しながら、組織のニーズに合わせて柔軟にシステムを構築・拡張できます。
- APIやSDKも豊富に提供されており、独自の機能開発や既存システムとの連携も容易です。
3. 将来を見据えた継続的な進化
- Genetec は、セキュリティ分野における技術革新を積極的に取り入れており、AIを活用した高度な映像解析機能やサイバーセキュリティ対策など、常に最新の機能が追加・強化されています。
- これにより、将来のセキュリティ脅威やニーズの変化にも柔軟に対応できます。
4. グローバルな実績と信頼性
- Genetec Security Center は、世界159カ国以上で、政府機関、都市インフラ、交通機関、教育機関、小売業など、多岐にわたる分野で導入されています。
- その豊富な実績と高い信頼性は、多くの組織にとって安心して導入できる理由の一つです。
5. 強力なサポート体制
- Genetec は、世界中に広範なパートナーネットワークを持ち、導入から運用、保守まで、手厚いサポート体制を提供しています。
- 専門的な技術サポートやトレーニングプログラムも充実しており、ユーザーがシステムを最大限に活用できるよう支援します。
他社との比較におけるポイント
- 連携のレベル: 他社製品の連携は、APIなどを介した限定的なものが多いのに対し、Genetec はプラットフォームレベルでの統合を実現しています。
- 操作性: 単一のインターフェースで全ての機能を操作できるため、複数のシステムを切り替える煩雑さがありません。
- データの活用: 各機能で収集されたデータが統合的に管理・分析できるため、より高度なセキュリティ分析やビジネスインテリジェンスへの活用が可能です。
- 長期的なコスト: 個別のシステムを導入・運用するよりも、統合されたプラットフォームの方が、長期的に見てコスト効率が良い場合があります（ライセンス、保守、運用管理など）。
まとめ
Genetec Security Center は、真の統合、高い柔軟性、継続的な進化、グローバルな実績と信頼性、そして強力なサポート体制において、他社の統合セキュリティシステムと比較して明確な優位性を持っています。組織のセキュリティニーズが高度化・複雑化する現代において、Genetec Security Center は、より安全で効率的なセキュリティ環境を実現するための最適な選択肢の一つと言えるでしょう。
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